粗大ゴミのこんな内容
その場合には、競争制限的『効果』(実質的なそれ)が自国に及んでいるか否か、という形で議論し易い。
だが、(既述の如く)各種の公法的・非民事的法規につき、等しく域外適用が問題となるのであり、理論的には、種々のファクターを考慮して。
自国との現実的関連かどの程度あるかが決め手となるのである。
そこから考えてゆくべきであり、その際、行為がどこで行なわれたかは、一つのファクターになるに過ぎない。
そもそも、属地主義と効果理論とは、水と油のように異なった考え方ではなく、両者は連続的なもののはずだ、-等々の点を私は主張したのである。
もちろん、その裏には、独禁法にせよ何にせよ、行為の行なわれる場所を海外にシフトさせ、そこから日本の市場の分割工作等を行なうことは、現状では容易であり、だからこそ、「行為」に着目するのみでは、規制上の抜け道(ループホール)か生じてしまう、といった配慮がある(主要諸国が効果理論を容認したのも、これが故である)。
かくて、公取委の右研究会報告書は、属地主義の制約にはこだわらず、また、問題の企業か外国企業であって、日本国内に何ら自己の拠点(支店・営業所等)を有していくとも、日本の独禁法を域外適用し得る、との立場を明らかにした。
これは大きな進歩である。
この報告書について論ずる者の中には。
これは研究会と公取委事務局の意見であって、公取委の委員達がどう考えて行動するかは別だ、との見方を示す者もある。
だが、右研究会には、公取委の委員長を始め、主だった委員は終始出席して、種々議論し。
その結果としての報告書であったことを、忘れてはならない。
産業構造審議会の一九九四年度版不公正貿易報告書独禁法の域外適用問題について、右のような見解が示されたことは、重要なことであり、それを追い風として、私なりに他省庁との関係でも種々がんばった。
その中で、通産省の関係の審議会(産業構造審議会)が平成四(一九九二)年度以来毎年出して来ている「不公正貿易報告書」の。
平成六(一九九四)年度版に、注目する必要がある。
この報告書は、木書第二部第一、二章との関係で重要なものである。
まさに「羅針盤なき日本」の矛盾した現状を変革するパワーの源泉が、そこにある。
ともかく、この報告書は、外国から一方的に日本は不公正と言われるだけでなく、何か公正で何か不公正なのかを、理路整然と述べてゆくことに主眼を置く。
日本語版こ央語版を毎年同時に出版する。
通常この種の報告書は、英文はサマリーのみだが、右のものはその全文を英文でも出している。
そして、海外に配布する。
毎年これを出し続けること自体に、大きな意義がある。
この報告書は、独禁法の「過度な」域外適用(とくに一九九二年四月のアメリカ司法省の方針)が、通商法三〇一条の補完的手段となることに、初年度報告書以来、重大な懸念を抱き、論じて来ている。
そしてご二年目に至り、一九九四年度版には、前記の公取委の[渉外問題研究会報告書]をしっかりと踏まえた叙述がなされるに至っている。
私としては、三年目にしてようやく努力か実ったと感じている。
多少は[羅針盤]らしきものが見えて来た。
という感じである。
国境を越える職業紹介等に関する労働省報告書次に、労働省職業安定局か平成五年二月に出したある報告書について(正式名は、「国外にわたる労働力需給調整制度研究会報告書」)。
これは労働者の人権問題にも深くかかわり、報告書が出たのち、直ちに同省は報告書の線で制度改革を実施している。
なぜこの報告書か必要とされたのか。
例えば中国から日本で働くために、多くの人々か来日しているか、日本で働く具体的職場と中国との間に、職業紹介等を行なう第三者(中国OO省の××公司等や、種々のブローカ士が介在する。
紹介料等の金銭の流れも問題だが。
それよりも、十分な配慮がなされることなく人々か日本に渡り、かなり悲惨な目にあう実例がけっこうある。
日本の労働法では、職業紹介等を適切に行なえ、とする規制があるが、規制対象者(前記のブロー力1等)が海外に居るときに、どうなるかが問題とされたのである(日本の労働者を海外で働かせる場合にも、同じ問題が生ずる)。
これは切実な問題である。
個々の労働者の人権の保護が背後にある。
そこで、この研究会報告書は、職業紹介等の行為が国外で行なわれていても、実質的に日本国内と深い関係があるならば、日本の「規制が及ぶと考えることが適当である」とした。
説得するには、ここでも相当骨が折れたが、正しい選択だと私は信じている。
この報告書では、属地主義万能の考え方についても若干の(後述する趣旨での)反省が促されている。
国境を越えるテレビけれども、属地主義万能の霞ヶ関的固定観念を十分には打破し得なかった場合も、残念ながら、あることはある。
平成五年六月に、郵政省放送行政局から出た、「国境を越えるテレビ」と題する研究会報告書(政府刊行物)である。
問題は、衛星によるテレビ放送にある。
日本国内の事業者が日本向けにそれをするためには、電波法等で規制がある。
だが、問題は、日本国内に何ら自己の拠点を置かぬ外国の事業者が、外国で衛星を打ち上げ、日本をも衛星からのTV放送の射程内とする場合か既にあり、しかも、今後近い将来、アジアを中心にいろいろな国の衛星テレビ電波が、日本に向かって降って来る状況にある点にある。
当然そこで、日本法の域外適用が問題とされるべきことになる。
研究会でも、消費者団体からの女性の委員などは、必ずしも青少年にとって好ましくない内容の放送番組が外国の衛星経由で流れて来る場合のことを、強く懸念した。
私も同様の意見を述べ、域外適用問題につき(及び一部著作権問題についても)論じた。
しかも。
この場合、電波は日本にむけて発射され、日本国内に現実に届いている。
つまり、効果理論など必要ない。
属地主義でも十分規制できるのである。
のみならず、日本の領域内での行為は、何らネグリジブルなものではなく、この種のサービスの本質的かつ核心的な部分をなす。
これを規制しないというのは、実におかしい。
私は主張した。
これでは日本の事業者ばかりが規制され、内外逆差別が生ずるし、規制(電波法等によるそれ)上の重大なループホールが生ずる。
それで何故よしとするのか、と。
ただ、この研究会では、外国からの衛星テレビ放送が今後各方面から入って来るのは必至と見て、それでは逆に、日本の衛星からも外国(東南アジア等)に向けてテレビ放送をさせようか、といった両而の問題が議論されていた。
今までは、規制により。
日本の衛星事業者には、そうしたことが許されていなかったので、その規制を緩和しようという、別な意図もあったのである。
そのためか、むしろ、外国側政府と日本政府(郵政省)との個別の交渉を重視する姿勢がとられ、具体的な法制度の厳密な検討の比重が、多少低められてしまった。
幸い、日本の「国内法の域外適用」は場合によって「必要となる」程度のことは書かれたが、はっきり言ってしまえば、域外適用問題についての理解ないし内部調整がノ不十分なまま報告書が出されてしまったのである(但し、資料としては、前記の公取委や労働省のものなどが添付されている)。
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